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お知らせ

令和4年11月20日(日)開催 「第44回九州口腔衛生学会総会」

第44回九州口腔衛生学会

第44回 九州口腔衛生学会総会実施概要

1.総会関連行事
令和4年11月19日(土) 於)福岡県歯科医師会館 1F 第1・2会議室
16:00 ~ 17:00  常任幹事会
17:00 ~ 18:00  幹事会

2.総会および学術大会
令和4年11月20日(日) 於)福岡県歯科医師会館 5F 大ホール

(午前の部)
・ 8:30 ~        受付
・ 9:00 ~  9:15  総会
・ 9:15 ~  9:20  開会式(大会長挨拶)
・ 9:20 ~ 10:20  特別講演①
【講師】九州大学院歯学研究院口腔保健推進学講座
口腔予防医学分野 教授 山下 喜久
【演題】40年間の研究生活を経て考えるこれからの歯科医療
〜ミュータンス連鎖球菌の分子遺伝学から生涯28への道程

・10:30 ~ 11:30  口演発表 10分×5題
① 「産婦歯科健診の実施状況と産婦の歯科保健状況について」
福岡市歯科医師会 公衆衛生委員会 石倉 行男

② 「特定健診質問票の咀嚼状態の回答からみた職業別の口腔機能の特徴
―産業歯科保健指導の新たな課題」
一般財団法人日本予防医学協会 山本 良子

③ 「周術期患者における機能歯数と栄養状態の関連」
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科発生発達成育学講座
予防歯科学分野 廣島屋 貴俊

④ 「アルコール摂取量と歯周病との関連について」
九州大学大学院歯学研究院口腔予防医学分野 楠 雄登

⑤ 「COVID-19 の蔓延による福岡市の歯科健診の受診状況の変化」
福岡市歯科医師会 公衆衛生委員会 劉 中憲

(午後の部)
・13:40 ~ 14:40  特別講演②
【講師】まんのう町国民健康保険造田歯科診療所
所長 木村 年秀
【演題】「究極のオーラルフレイル対策
~地域高齢者の低栄養への社会的処方~」

・14:40 ~ 15:00  表彰式・閉会式

【ポスター展示・発表】
・12:30 ~ 13:10  ポスターセッション 5分×8題

【企業展示】
・ 9:20 〜 15:10

【特別講演】40年間の研究生活を経て考えるこれからの歯科医療〜ミュータンス連鎖球菌の分子遺伝学から生涯28への道程

【講師】九州大学院歯学研究院口腔保健推進学講座 口腔予防医学分野 教授 山下 喜久

【講演抄録】
大学卒業後は歯科矯正医を目指して大学院に進んだが、大学院修了後は紆余曲折があり口腔衛生学の道を歩むことになった。当初はミュータンス連鎖球菌の撲滅によって人類がう蝕から解放されることを夢見て日々研究室で実験に明け暮れていた。その後、九州大学予防歯科の教授に赴任直後の故古賀敏比古教授に師事し、研究では古賀教授のライフワークのう蝕ワクチンの開発、診療では歯周病患者の基本治療に携わることで研究室の立ち上げをお手伝いした。2000年に日本大学衛生学の教授に就任したが、研究環境の激変で研究の主軸をう蝕細菌学から疫学研究に移さざるを得なかったが、う蝕細菌の臨床的な意味付けを疫学的に評価する機会を得て、実験室の研究結果を臨床に反映させる重要性を身をもって経験できた。

日本大学に赴任した1年後に古賀教授が急逝され、九州大学の古巣に教授として戻ることになり、残された20年間の研究目標を改めリセットした。より大きな視点から研究の方向性を探る中で、個々のう蝕細菌や歯周病細菌だけでは捉えきれない口腔マイクロバイオーム全体の口腔および全身の健康への関わりの重要性に気づき、久山町コホート研究を基盤とした口腔分子疫学研究を体系化することで、口腔の健康の見える化を目指してきた。2019年〜2021年に日本口腔衛生学会の理事長を拝命し、これまでの40年間の研究生活から、これからは歯を失わない歯科医療を目指すべきであることを痛感し、日本口腔衛生学会の学会声明「生涯28」の理念の社会への波及を進めてきた。

本講演では、自身の大学人としての研究生活を総括することで、これからの歯科医療が進むべき道について言及できればと思う。

【特別講演】「究極のオーラルフレイル対策~地域高齢者の低栄養への社会的処方~」

【講師】まんのう町国民健康保険造田歯科診療所 所長 木村 年秀

【講演抄録】
私たちの歯科診療所がある香川県まんのう町琴南地区は人口2,018名、高齢化率50.8%(令和4年2月1日現在)で、香川県内一の超高齢過疎地域です。
平成27年から九州大学大学院口腔予防医学分野のご協力により地域内すべての後期高齢者を対象として「食べる楽しみ」に関する調査・分析を実施した結果、低栄養に最も影響する因子は「移動手段」で、自家用車を利用していない/利用しているのオッズ比は5.5でした。
高齢者が運転する車の事故が社会問題となっており、免許の自主返納が推進されていますが、自家用車を運転しなくなれば、通院や買い物、友人宅への移動手段を失ってしまい、社会とのかかわりが制限されます。
その結果、次第にフレイル、低栄養となっていくのです。この調査を通して、私たち歯科専門職は歯や口の専門家ではありますが、地域高齢者の低栄養の課題に対応するにあたって、歯科医療機関への受診が困難、食材調達に困っている、孤食で寂しいなどの社会的も課題について目を背けてはならないことを痛感しました。本講演では「究極のオーラルフレイ対策」として、当地域で実施している地元スーパーとのコラボ企画「買い物ツアー」や旧中学校跡地を活用した地域活性化拠点「ことなみ未来館」における医療人材育成事業などを例に地元ボランティアや他分野の人々の協力を得て形成する社会連携のかたちを紹介させていただきます。

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